KIMASHI TOWER#7「お母様ァーーッ!」

木増「あーもう…だるっ!」ゴロゴロ

ノンケちゃん「なんで勤務中に、なおかつ工事現場で寝っ転がってんの…?」

 

堀田「親父さんに怒られちまうぞー?」

木増「こんな日差しの中で真面目に仕事なんかしてられませんわ!」

ナミツグ「現在気温は32℃だぜ」

木増「なんですって!?もはやお風呂レベルじゃありませんの!」デローン

ノンケちゃん「お風呂としたらぬるいよ!」

木増「お風呂はそうでも空気じゃ暑いんですのーもうだるい!ダルビッシュ!」ゴロゴロ

ノンケちゃん「ダルビッシュ!?」

堀田「俺はブランコの方が好きだな」

ナミツグ「何、やっぱり時代は小笠原よ」

ノンケちゃん「絶対野球関連の流れじゃなかったよ!?」

木増「私は神戸選手を推しますわよ!」

ノンケちゃん「話題をシフトチェンジしないでよっ!」

ナミツグ「しかしクッションとスナックとコミック百合姫と…サボる気満々だな」

ノンケちゃん「そこはLaLaとか読もうよ…」

堀田「LaLaかよ。ちゃお読んでろ、ちゃお」

ナミツグ「いやいやマーガレットだろ!」

ノンケちゃん「何言ってんの!花と夢系統が一番にきまってるでしょ!」

木増「そのメンツで少女漫画談義はやめてくださいまし!」ゴロゴロ

旗「騒がしいぞー?百合はしっかり働いてるかー?」スッ

木増「もちろんですわお父様!今鉄筋を運んでる所ですの!」オ゙ッ

ノンケちゃん「早ッ!いつの間に全部片付けたの!?」

ナミツグ「Z戦士みたいだったぞ今の」

堀田(音速超えるとあんな音出るのか…)

旗「そうか、つづけて頑張れよ」スッ

ノンケちゃん「ひえ~百合ちゃんてばお父さん騙し切っちゃったよ…!」

ナミツグ「しかし一人で監視役兼社長かぁ~」

堀田「木増が働き始めてからはずっとこの調子らしいぜ」

ノンケちゃん「百合ちゃんが働き始めてから?じゃあその前は?」

堀田「その前は夫婦で営んでたんだとさ…」

ナミツグ「夫婦…ん?そしたらあいつの母親は?」

堀田「ああ…それはだな」

旗「それについては俺から話そう」

ノンケちゃん「うわっ!?百合ちゃんのお父さんいつの間に!?」

旗「俺そんなに影薄いかな?」

堀田「しかし巡回してるはずなのになぜまだこの近くに?」

旗「いやね、波子ちゃんにこの バ カ がサボってるって聞いてね」ゲシッ

木増「あいたっ!蹴らないでくださいまし!」ドテッ

ナミツグ「波子はいつの間に…」

旗「休憩時間は終わってるだろ?あ?」グリグリ

木増「あひぃぃぃぃぃぃ!そんなとこ踏まないでくださいましぃぃぃぃ!!もっと!!!」ビクンビクン

ノンケちゃん(もっと?)

ナミツグ「んで、母親は?」

旗「ああ、そうだった…そうだな、まず名は『鎖』。『木増 鎖』だ」

旗「彼女は百合のように活発で、愛に生きる女だった…」

ノンケちゃん「愛って、百合ちゃん同様にへんな嗜好だったんじゃ…」

旗「ご名答。あいつは大のBL好きでね、自分の恋なんかにゃ到底興味のない奴だったんだ」

ナミツグ「それなのにあんたとくっついたんだな」

旗「何、俺のテクニックにかかればちょちょいのちょいさ」クイクイッ

堀田「その手の動きはいけませんぜ」

ナミツグ「でも趣味が趣味なだけに婚後もたいへんだっただろうな」

旗「いや、実際彼女は俺も愛してくれていたし、仕事も俺が契約担当、妻が実行役で順風だった。でも」

ノンケちゃん「でも?」

旗「…ある日突然…彼女が暴漢に…」

ノンケちゃん「…!」

旗「それ以来人間不信になっちまって…あんなにやさしかった性格だって歪んで、一切笑ってくれなくなった…しばらくは部屋に引き籠ってたんだが、その数日後に…気が付いたらいなくなってていたんだ…」

ナミツグ「…そんなんで会社は大丈夫だったのかよ?」

旗「もちろん一人で担えるわけがない、なによりショックで俺自体動けなかったよ」

旗「でも、そんなときに手を貸してくれたのが百合さ」

旗「あの子は母親譲りの怪力で何でもこなしてくれてね、俺もその一生懸命な姿に元気付けられたもんだ」

ノンケちゃん「百合ちゃんてば優しかったんですね」

堀田「そっから会社が急成長したんだよな」

旗「そうそう。ビエール君も嫉妬からかしょっちゅうちょっかい出してきたもんだよ」

堀田「今でも邪魔するぜ」

旗「でも百合はそんな困難にもめげず会社を守り続けてくれた」

ノンケちゃん「…もしかすると、お母さんの帰る場所を守ってるのかもしれませんね」

ナミツグ「一番心配してるんだろうな…」

旗「ああ…百合は最高に優しい子だよ」

堀田「その優しい子はイケナイ顔ですっかりのびちゃってるぜ?」

木増「」

ノンケちゃん「ほら百合ちゃん!起きて仕事しなよ!」ユサユサ

ナミツグ「もうサボるんじゃないぞー?」

木増「うぅ…ふにゃ?」

ノンケちゃん「ふにゃ?じゃないよもうっ!」

木増「あ、あぁ…流石に仕事しなくちゃですの」ムニャムニャ

ノンケちゃん「ふふっ…がんばってね!」ニコッ

木増「…?…ええ!!」

つづく!