KIMASHI TOWER#0-1「事件ですわーーッ!」

―工事現場

 

木増(キマシ)「はぁい!私の名前は木増 百合!木増建築の社長令嬢兼現場監督ですの!」

 

旗(フラグ)「誰と話してるだ…あと社長令嬢を自称するな」

 

木増「あらお父様、私が令嬢なのは事ー実なんだからいいじゃないですの~?」

 

旗「いや確かに社長(俺)の娘だしお嬢様っぽい雰囲気だけどさ…」

 

木増「ところで唐突に現場に来てどうしたんですの?今日はちゃんと仕事してますわよ」

 

旗「あぁそうだった話があるんだ…。今日、俺は他の不動産屋と契約をしに行くんだ。だから、留守番しっかり頼んだぞ」

 

木増「…それだけですの?」

 

旗「それだけだ」

 

木増「ふぅん…それだけのために言うなんて、何かありそうですわね」

 

旗「いや、特に深い意味は無いんだが、少し心配でな…今日はちょっと嫌な予感がするんだ」

 

木増「嫌な予感?」

 

旗「あぁ…何もなければいいが…」

 

木増「そうですわね、気を付けときま…」

 

ヒュルルルルルル…ズガァン!!!

 

木増「っほぁあ!?」

 

旗「!!これは…」

 

 そこに落ちてきたのはクレーン!

木増建築社員が今!工事に使用していたクレーン!

 

木増「ちょ、ちょっと!?上の社員は何やってるんですの!」

 

旗「…社員が何『やらかした』んじゃなくて、何か『された』のかもしれないぞ」

 

木増「…つまり誰かが上で社員を襲った…?」

 

旗「そう考えられるな、可能性はある」

 

木増「真実がどうだろうとクレーンが落ちてきた事実は変わりませんわ!現場監督たるもの、この事態は無視できませんの!」

 

旗「さすが我が娘だ。だが、一人で大丈夫か?」

 

木増「もっちろん大丈夫ですわ!」

 

そう言いながら大きなハンマーを持ち上げた!

彼女と同じくらい大きなハンマーを片手で軽々と!

 

木増「お父様は契約先に行っててくださいまし。この事件は私が解決しますわ」

 

旗「そうか…頼んだぞ」

 

 

つづく!